
AI技術の進化は目覚ましく、特に「画像生成AI」の分野は、もはやSFの世界の話ではありません。
ビジネスシーンにおいても、プレゼンテーション資料の作成、Webサイトのビジュアルコンテンツ制作、SNSでの情報発信、さらには企画段階でのイメージ共有など、その活用範囲は日々広がりを見せています。
しかし、数多あるAI画像生成サービスの中から、自分のニーズに合ったものを選ぶのは至難の業と感じることもあるのではないでしょうか。
特に、日本語でスムーズに操作できるかどうかも重要なポイントです。
私自身、AI技術の動向を追う中で、様々なサービスを試してきました。
その経験から、今回はビジネスパーソンとしての視点から、「実践的な活用」という観点に加え、「日本語対応」を重視しておすすめのAI画像生成サービスを、無料版と有料版に分けてご紹介します。
AI画像生成サービス選びのポイント

まず、今回サービスを紹介していく中で、考慮すべきポイントをいくつか挙げさせていただきます。
- 生成される画像のクオリティと多様性:
最終的なアウトプットの質は最も重要です。また、リアルな写真風からイラスト調、CG風など、多様なスタイルに対応できるかどうかもポイントです。 - 操作の簡便性(プロンプトの入力しやすさ):
複雑なプロンプトを記述しなくても、ある程度のイメージ通りの画像を生成できるか、あるいは直感的なインターフェースが備わっているかは、日々の業務で活用する上で非常に重要です。 - 商用利用の可否とライセンス:
生成した画像をビジネスで利用する場合、商用利用が許可されているか、またその際のライセンス形態はどうなっているかを確認する必要があります。 - コストパフォーマンス:
無料プランの有無、有料プランの料金体系と提供される機能のバランスを考慮します。 - 追加機能の充実度:
アップスケーリング(高解像度化)、インペインティング(部分修正)、アウトペインティング(画像拡張)など、生成後の編集機能が充実していると、活用の幅が広がります。 - 日本語対応の状況:
インターフェース、プロンプトの入力、サポートなど、日本語での利用にどこまで対応しているか。
これらのポイントを踏まえ、日本語での利用を前提としたビジネスパーソンにおすすめしたいサービスを厳選しました。
まず試すべき!無料で使える日本語対応AI画像生成サービス

「いきなり有料サービスに手を出すのは気が引ける」という方もご安心ください。
まずは無料でAI画像生成の可能性を試せる、日本語対応のサービスから始めてみましょう。
1. CanvaのMagic Media(マジックメディア)
普段からプレゼンテーション資料やSNS投稿などでCanvaを使っている方には、CanvaのMagic Mediaが最もおすすめです。
Canvaの豊富な日本語テンプレートや編集機能とシームレスに連携できるため、画像生成からコンテンツ作成までを一貫して行えます。無料版でも一定数の画像生成が可能で、手軽にAI画像生成を体験できます。
▶ 公式サイト:Canva
- ✨強み
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- 完全日本語対応のインターフェースとサポート。
- Canvaの既存ワークフローに統合されており、直感的に操作できる。
- 多様なテンプレートと組み合わせて、すぐに実用的なコンテンツが作成できる。
- 商用利用可能な素材が生成される(Canvaのライセンス規約に準拠)。
- 📊ビジネスでの活用シーン
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- SNS投稿のアイキャッチ画像、イベント告知バナー。
- プレゼンテーション資料の挿絵や背景画像。
- Webサイトの簡単なビジュアルコンテンツ。
- ⚠️留意点
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- 高度なプロンプトによる詳細なコントロールは有料版に比べると限定的。
- 無料版には生成回数に制限があります。
2. Microsoft Copilot(マイクロソフト コパイロット)
Microsoft EdgeやWindows 11に統合されているMicrosoft Copilot(旧Bing Image Creator)も、無料で手軽にAI画像生成を試せるサービスです。
Microsoft CopilotはDALL-E 3の技術を基盤としているため、高い日本語プロンプト理解度を誇ります。日本語で指示を出すだけで、イメージ通りの画像を生成してくれます。
▶ 公式サイト:Microsoft Copilot
- ✨強み
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- 日本語プロンプトの理解度が非常に高い。
- Microsoftアカウントがあればすぐに利用可能。
- DALL-E 3ベースの高品質な画像を生成できる。
- 無料の「ブースト」を活用すれば、高速生成も可能。
- 📊ビジネスでの活用シーン
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- 企画書や提案書のイメージ図作成。
- ブログ記事の挿絵、SNS投稿用のビジュアル。
- アイデア出しやブレーンストーミング時のビジュアル化。
- ⚠️留意点
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- 生成速度はブーストの有無によって変動します。
- 生成枚数には日次制限があります。
3. Leonardo.Ai(レオナルド・エーアイ)
本格的な画像生成を無料で試したいなら、「Leonardo.Ai」は有力な選択肢です。Webインターフェースは英語がメインですが、プロンプトは日本語で入力可能であり、高い精度で画像を生成してくれます。
Leonardo.Aiの無料プランでは毎日一定数のトークンが付与され、それを使って画像を生成できます。商用利用も可能です。
▶ 公式サイト:Leonardo.Ai
- ✨強み
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- 日本語プロンプトに対応。
- 無料プランでも多機能で、高品質な画像を生成できる。
- 独自のモデル(ファインチューニングされたAIモデル)が豊富に用意されている。
- アップスケールや背景除去などの編集機能も充実している。
- 📊ビジネスでの活用シーン
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- 初期段階のプロダクトイメージ、デザインのモックアップ。
- ゲームやアプリのキャラクターデザインのアイデア出し。
- ブログや記事の挿絵、ファンタジー系のビジュアルコンテンツ。
- ⚠️留意点
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- インターフェースは英語が中心のため、慣れるまでに時間がかかる場合があります。
- 無料プランには生成回数に日次制限があります。
プロが選ぶ!有料でさらに活用する日本語対応AI画像生成サービス

ビジネスでの本格的な利用や、より高いクオリティ、安定した性能、そして日本語でのスムーズな運用を求めるなら、有料サービスへの投資を検討する価値は十分にあります。
1. ChatGPT Plus / Team(DALL-E 3連携)
OpenAIが提供する「ChatGPT Plus」または「ChatGPT Team」に加入することで、DALL-E 3を直接利用できます。ChatGPTの料金設定ページで詳細を確認できます。
日本語での対話を通じてプロンプトの調整やアイデア出しができ、その流れで画像を生成できるため、非常に効率的です。プロンプト作成に不慣れな方でも、ChatGPTがサポートしてくれる点が大きな魅力です。生成した画像は商用利用可能です。
▶ 公式サイト:ChatGPT 料金設定ページ
- ✨強み
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- ChatGPTによる高度な日本語プロンプト支援。
- 自然な日本語の対話で、詳細なイメージをAIに伝えられる。
- DALL-E 3の技術を基盤とした、高品質な画像を生成。
- 画像生成だけでなく、文章作成など他のChatGPT機能も利用できる。
- 📊ビジネスでの活用シーン
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- マーケティング資料のイラストレーション、商品説明のイメージ図。
- SNS投稿用のビジュアルコンテンツ作成とキャプションの生成。
- 教育コンテンツの図解、インフォグラフィックの素材。
- ⚠️留意点
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- ChatGPT Plusなどの有料プランへの加入が必須です。
- Midjourneyのような芸術性よりも、実用的な画像生成に強みがあります。
2. Adobe Firefly(アドビ・ファイアフライ)
Adobe製品を日頃から利用している方には、「Adobe Firefly」が最適です。
Adobe Fireflyは日本語インターフェースに対応しており、PhotoshopやIllustratorなどの既存のAdobeツールとの連携が非常にスムーズで、生成した画像をすぐに編集・加工できるのが大きな魅力です。
著作権に配慮された学習データを使用しており、商用利用も安心して行えます。
▶ 公式サイト:Adobe Firefly
- ✨強み
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- 完全日本語対応のインターフェースとサポート。
- Adobe製品との高い連携性。
- 著作権に配慮された学習データを使用しており、商用利用の安心感が高い。
- テキストから画像生成だけでなく、テキストエフェクトや生成塗りつぶしなど、多機能。
- 📊ビジネスでの活用シーン
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- 既存の画像素材への追加要素の生成、修正。
- マーケティングキャンペーン用のバナーや広告素材の作成。
- デザインカンプやプロトタイプの作成。
- ⚠️留意点
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- Adobe Creative Cloudのサブスクリプションが必要となります。
- 現時点では、特定のスタイルや表現に強い傾向があります。
3. Midjourney(ミッドジャーニー)
高品質な画像を求めるなら、やはり「Midjourney」は外せません。Midjourneyは、その生成される画像の芸術性とクオリティは群を抜いており、まるでプロのアーティストが制作したかのようなビジュアルを生み出すことができます。公式の日本語サポートはありませんが、プロンプトは日本語で入力可能であり、ある程度の意図を汲み取ってくれます。また、日本語のユーザーコミュニティも存在します。商用利用も可能です。
▶ 公式サイト:Midjourney
- ✨強み
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- 日本語プロンプトに対応(ただし、英語の方がより正確に意図を伝えやすい場合あり)。
- 圧倒的な画像生成クオリティと多様な画風。
- 抽象的なコンセプトから具体的なシーンまで、幅広いイメージに対応可能。
- 活発なユーザーコミュニティ(日本語コミュニティも存在)。
- 📊ビジネスでの活用シーン
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- 新規事業のコンセプトイメージ、サービスロゴのアイデア出し。
- Webサイトのキービジュアル、ブログ記事のアイキャッチ。
- プレゼンテーション資料のインパクトある図版。
- ⚠️留意点
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- Discord上での操作が基本となるため、やや慣れが必要です。
- インターフェースや公式サポートは英語が中心。
- 無料トライアルに制限があり、本格的な利用には有料プランへの加入が必要です。
AI画像生成サービス 早見表:日本語対応サービス徹底比較

AI画像生成サービスは多岐にわたりますが、ビジネスシーンで活用する上では、その機能性はもちろんのこと、日本語での使いやすさも重要な要素となります。
ここでは、これまでご紹介した日本語対応の主要サービスについて、その特徴を一覧で比較できる早見表を作成しました。ご自身のニーズと照らし合わせながら、最適なサービスを見つける一助としてください。
サービス名 | インターフェース (日本語対応度) | 料金体系 | 得意なこと・強み | 留意点 |
---|---|---|---|---|
CanvaのMagic Media | ★★★ (完全日本語) | 無料プランあり (回数制限) / 有料プラン | Canvaとのシームレスな連携、直感的な操作性、デザイン全般 | 高度なカスタマイズは限定的 |
Microsoft Copilot | ★★★ (完全日本語) | 無料 (回数制限あり) | DALL-E 3ベースの高品質生成、日本語プロンプト理解度が高い | 無料利用は制限あり、商用利用の規約確認 |
Leonardo.Ai | ★★☆ (英語中心だが一部日本語可) | 無料プランあり (日次トークン) / 有料プラン | 多彩なモデル選択、高度な機能も無料で利用可、高クオリティ | インターフェースがやや複雑、英語が中心 |
ChatGPT 料金設定 | ★★★ (完全日本語) | 有料 (月額課金) | ChatGPTによるプロンプト生成支援、対話形式でイメージ調整 | ChatGPTの利用が前提、芸術性より実用性重視 |
Adobe Firefly | ★★★ (完全日本語) | 有料 (Adobe CC サブスク) | Adobe製品との連携、著作権に配慮した学習データ、安心感 | Adobe Creative Cloudの契約が必要、特定の表現に傾向あり |
Midjourney | ★☆☆ (英語のみ) | 有料 (月額課金) | 圧倒的な芸術性と画像クオリティ、多様な画風 | Discord上での操作、日本語プロンプトは限定的、学習コストあり |
AI画像生成サービスをビジネスの武器に

今回ご紹介したサービスは、それぞれ異なる強みと日本語対応の状況を持っています。
- 日本語インターフェースで手軽に試すなら、Canva Magic MediaやMicrosoft Copilot。
- 日本語プロンプトで高品質な画像を求めるなら、Leonardo.Ai(インターフェースは英語)、ChatGPT Plus/Team(DALL-E 3連携)、Adobe Firefly。
- 最高峰の芸術性を追求し、日本語プロンプトにも対応するならMidjourney(ただしインターフェースは英語)。
まずはご自身のビジネス上の課題や目的に合わせて、最適なサービスを選んでみることをお勧めします。無料プランや無料期間があるサービスも多いので、実際に触れてみて、その可能性を実感してみてください。
AI画像生成サービスは、私たちのクリエイティブな活動を強力にサポートしてくれるツールです。
上手に活用することで、業務の効率化はもちろん、新たなアイデア創出やビジネスチャンスの拡大にも繋がるはずです。
この記事が、あなたのビジネスの一助になることを心から願っております。
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