
AI技術の進化に伴い、さまざまな専門職が登場しています。
なかでも注目されているのが「AIエンジニア」と「プロンプトエンジニア」という2つの職種です。
この2つの職種は名前は似ていますが、求められるスキルや役割は大きく異なります。
この記事では、両者の違いや共通点、必要なスキル、それぞれのキャリアの展望について詳しく解説していきます。
これからAI分野でのキャリアを考えている方や、生成AIを活用した副業・転職を検討している方にとって、職種選びのヒントになれば幸いです。
AIエンジニアとは?|技術の根幹を支える開発者

1. 定義と役割
AIエンジニアは、人工知能技術を活用したシステムやサービスの開発を行うエンジニアで、自然言語処理(NLP)、画像認識、音声認識、強化学習など、幅広いAI技術を扱います。
主な役割は以下の通りです。
- 機械学習・ディープラーニングモデルの設計・実装
- データの収集・前処理・分析
- AIアルゴリズムのチューニングと評価
- クラウドやオンプレミスでのAIモデルのデプロイ
2. 必要なスキル
- PythonやRなどのプログラミング言語
- 機械学習フレームワーク(TensorFlow、PyTorchなど)
- 数学(線形代数、統計、微積分)
- データベース・クラウド技術(SQL、AWS、GCPなど)
3. 主な活躍分野
- 自動運転車
- 医療診断支援
- 金融(不正検出や市場予測)
- 製造業(予知保全、ロボティクス)
プロンプトエンジニアとは?|生成AIを操るスキル職

1. 定義と役割
プロンプトエンジニアは、ChatGPTやClaude、Midjourneyなどの生成AIに対して、適切な指示文(プロンプト)を設計・調整することに特化した職種です。
生成AIの出力品質は、プロンプト次第で大きく変わります。プロンプトエンジニアは、AIの“言葉の扱い方”に精通し、目的に応じた最適な出力を引き出す役割を担います。
2. 必要なスキル
- 自然言語の設計力と構成力
- 課題に応じたAIツールの活用スキル
- デバッグ能力(何がうまくいかなかったのかを分析)
- コンテンツ制作(文章・画像・コード)の知識
必ずしもプログラミングが必須ではありませんが、HTML/CSSやJavaScriptなどの基本があると有利です。
3. 主な活躍分野
- マーケティング(広告コピー、記事生成)
- クリエイティブ(画像生成、動画構成)
- 業務効率化(社内ドキュメント生成、チャットボット構築)
- 教育コンテンツの自動生成
AIエンジニア vs プロンプトエンジニア|違いと共通点
項目 | AIエンジニア | プロンプトエンジニア |
---|---|---|
役割 | AIモデルを開発・構築する | 生成AIに最適な出力をさせる |
スキル | 数学・プログラミング重視 | 言語設計・実験思考重視 |
主なツール | Python, TensorFlow, AWS | ChatGPT, Notion AI, Midjourney |
対象AI | モデル自体(学習・推論) | モデルを“使う”側のツール |
活躍分野 | 研究・開発・分析中心 | 実務・業務改善・創作支援 |
このようにやることは違いますが、共通点もあります。
- AIリテラシーが必要
- 問題解決力・仮説検証力が重要
- データ活用の重要性を理解している
どちらを目指すべき?キャリア選びのポイント

AIエンジニアとプロンプトエンジニア、どちらを目指すべきかは、あなたの適性や興味、キャリアの方向性によって変わります。
1. 技術的な開発が得意・好きな方はAIエンジニア向き
こんな人におすすめ
- 数学やロジックが好き
- 新しいアルゴリズムを追求したい
- 自分でモデルを開発・実装したい
2. 言葉を使ってAIを動かすことに興味があるならプロンプトエンジニア
こんな人におすすめ
- クリエイティブな仕事がしたい
- ノーコードでAIを活用したい
- AIと人の橋渡し的な立場に魅力を感じる
3. 両方のスキルを身につけるハイブリッド型も注目
将来的には、「AIを作れて、かつ上手に使いこなせる人材」が重宝される時代になる可能性が高いです。
求人市場の動向と将来性

AIエンジニアやプロンプトエンジニアは、急速に発展するAI分野において注目度の高い職種です。
では、実際の求人市場ではどのようなニーズがあり、将来的にどのようなキャリアパスが期待されているのでしょうか?
ここでは、両者の雇用状況や年収傾向、今後の成長予測について見ていきましょう。
AIエンジニアの市場
- 高度な専門性があるため、年収は高水準(600万〜1200万)
- 大企業・研究機関・スタートアップなどで採用が活発
- 求人数はやや限定的だが専門性重視
プロンプトエンジニアの市場
- 新しい職種であり、今後も拡大中
- 業種を問わず導入が進んでおり、フリーランスや副業でも活躍しやすい
- 年収は300万〜700万程度(スキルと実績次第で伸びしろあり)
AI時代、自分らしいエンジニアの在り方を選ぼう

AIエンジニアとプロンプトエンジニアは、同じAIを扱う職種でありながら、目指す方向性が大きく異なります。
技術を開発するのか、それとも技術を活用するのか。
どちらが優れているという話ではなく、「どちらが自分に合っているか」を見極めることが大切です。
- ロジック・数学・研究が好きなら「AIエンジニア」
- 言語・表現・応用力が得意なら「プロンプトエンジニア」
いまはどちらの道も十分なチャンスがあります。
将来の選択肢として、まずは興味のある分野から学び始めることをおすすめします。
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